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最近は写真日記。

日本の歴史を学ぶ旅


4月7日に小泉首相と中山文部科学相、河合長官らが会談した際、首相が「日本の2000年の歴史を分かるようなツアーを考えたらどうか」と提案したうえで、1年かけて史跡などを見て回る旅や夏休みに親子で学ぶ旅など様々なアイデアを披露していた。

 政府主導で歴史を学ぶ旅をバックアップするのは良い。良いが、問題があり過ぎる。まず首相の言う「日本の2000年の歴史」とは何を示しているのか。何よりも捏造事件の背景にあった、「街興しとしての歴史発見」が、また繰り返されかねない。もちろん「街興し」のプレッシャーと、捏造の倫理は別物であるが、同じ過ちを繰り返さない為にも、日本政府の視点だけではなく、海外で論じられる日本文化論も取り入れられるべきだろう。
 それに政府主導で「日本の歴史」と銘打つ限りは、宮内庁管理になっている数々の天皇陵も一般に開くべきだ。それができなくて、「日本の2000年の歴史」など公言できない。また「日本の」ということは、やはり国指定の重要文化財だけが対象に成るのだろうか。
 理想として政府が示す「日本」と地方自治体が示す「日本」、それぞれの「歴史を学ぶ旅」があって良い。政府の方では一般からの公募という方法を取るらしいが、結局政府の意図する「日本」が切り取られて、旅行プランに成るのだろう。真に「日本の歴史」を模索するのであれば、政府が示す大きな物語と、地方自治体がそれぞれに持つ小さな歴史を同時に立ち上げるべきだろう。

首相発案「日本の歴史を学ぶ旅」、プランを一般公募
http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20050504i401.htm