ファウスト賞
ファウストが既にVol.2まで出ているのは知っていたが、まさかその中でファウスト賞が公募されていたとは知らなかった。メフィスト賞とは何が違うのか?と思って少し調べてみたら、応募資格が1980年以降の生まれであること、400×120枚以内で、優秀作品はノベライズではなくファウスト誌上に掲載ということだった。結果としたらファウストに掲載されるくらいのものだからノベライズが前提なんだろうけれど。
ファウストの作家陣は舞城王太郎、佐藤友哉、西尾維新、清涼院流水や東浩紀も書いている。小林紀晴も書いているのは驚きだ。とにかくこの作家陣であれば出てくるものは想像がつく。文章はライトノベル寄りでありながら、内容はポストモダン。ここまで同系統で繋がらなくても良いのではないかとも思うのだが。その誌上で作品を公募すれば、しかも80年代以降の人々の作品であれば、それもまた想像の範囲内でないのか。あまりにも色が強過ぎるがために読者に影響を与え過ぎ、投稿者もまた影響を受け過ぎる。それが傾向と対策であれば良いのだけれど、メフィスト賞を消費して見いだされた佐藤友哉や西尾維新とは違って、このファウスト賞の場合、あまりにも範囲が狭過ぎる気がするのだが。
文芸誌のアフタヌーンと言ったら良いのか。狭さとしたら電撃系に近い。僕が中学の頃は、ロードス島戦記だったりフォーチュンクエストやスレイヤーズだったり要するにスニーカー文庫や富士見文庫が漫画の変わりを果たしていたけれど、今の小中学生はファウストを読んだりするのだろうか。だとしたらまるで真新しさを感じない。作家とイラストレーターの組み合わせもスニーカー文庫では定番だった。
メフィストとSneakerの間の補完であればわかるけれど、これが新しいものだとはやはり思えないが、ファウスト本体を手にしてみないと何とも言えないか。