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最近は写真日記。

北三郎先生とブラックジャック

 ブラックジャックによろしくに出てきた、心臓外科医北三郎。モデルは南淵明宏さんらしい。死亡した患者側について証言し、今回は南淵さんが名誉棄損で敗訴。ブラックジャックによろしくの北先生は、カラオケと酒が好きで、他の医師とは違い葛藤が深い。オーストラリアに渡っていたというのも親近感があるのかもしれないけれど、あの漫画の中で印象深いキャラクターだった。
 出てきた当初は、現実の医学界を描くつもりだったのだろうが、最近のブラックジャックによろしくはどうも路線がズレて来ている。新刊も購入していない。ガン病棟編にしても、結局何を伝えたいのかわからなかった。ドラマの影響なのか。
 今回の裁判、庶民としてはやはり個人を応援したくなる。「退職を求められたのは恒常的にアルバイトをしていた」というが、アルバイトしなければいけない理由はなんなのか?「電話も嫌がらせと決めつけられない」って、個人と法人では力の差があるだろう。そこで個人側に付いて*1独自に調査するのが、マスコミだろうが、その力もないか。思い出したのは滝沢秀明太陽は沈まない。あれはドラマだったけれど、僕の高校の頃の女教師の母親は、カルテ操作で死んでいる。きっと悔しかったに違いない。生徒と距離感の近い教師で、家族の話になった時だ。彼女は涙を堪えながら、母親の話しをしてくれた。最後に「もうどうにもならないのだから」と言っていたのを思い出す。
 手術を失敗する医師が悪いのではない。それを隠そうとする人間が悪いのだ。在ったことを、無かったことにして、何も知らないような顔をして生きている人間に医師が勤まるのか。信頼できる医師を探すのは、きっと信頼できる家族を探すようなものだ。僕は、自分がしたことを、後悔して見つめ直して、懺悔できるような人間を、自分を問うことのできる人間を主治医に持ちたい。

ブラックジャックによろしく (9) (モーニングKC)

*1:もちろん逆に法人側について