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最近は写真日記。

家庭教師にトライ

 id:kose9さんの、「おめでとうございます♪」id:kose9:20041116を読んで、自分の家庭教師時代を思い出した。
 いつから始めたのかしっかりと憶えていない。オーストラリアから帰って来て、大学に入る頃には既に家庭教師のバイトをしていた気がする。イタリアに来る直前までやっていたし、日本に帰っている間も時間のある時は生徒を見たりした。
 中学の頃通っていた学習塾で、教えないか?という誘いもあったが、内情を知っていたので断った。何よりも、僕が通っていた大学の考古学実習は春、夏の長期休暇をフルに使うため、定まったバイトをするのが難しかった。結果として大学を通してバイトが続いたのは家庭教師だけである。
 僕の場合、登録家庭教師ではなく、口コミだった。オーストラリア留学の話しを聞きつけた人が「家の子に英語を教えてくれない?」と来て、そこから広がったり、「家庭教師探してるんだけれど」という話しを友人が僕の所に持って来てくれたり。大学の友人からは「マジで!?お前に教わるくらいなら、俺が教えるって。どんな家庭教師だよ!金髪で、チャラチャラしてるし。出席日数足りてないし。何よりも大学は3流じゃんか(笑)いやー、詐欺だよね。詐欺罪」とつっこまれた。
 それでも小、中、高校生と全てを見た。小、中高生の勉強は良いとしても、高校の問題などは、教えるというよりは「へぇ〜、知らなかった。そうなんだ」とか言いながら僕の方が学ばせてもらった気がする。最初に親御さんに言うのは「僕には大学受験など、受験勉強を指導することはできません。そういう場合はマニュアルのある家庭教師センターとか、予備校に行った方が効率的です。僕ができることは、学校の勉強でわからないこととか、もしくはわからないとしても、どこがわからないのか、それを指摘するくらいです」ということだった。
 高校受験までの勉強は僕も一通り教え込まれたが、大学受験に至っては僕は受験勉強は一切していないので、その方法を知らない。高校の3学期ともなれば受験に控えて、登校は週に1度位で済むが、僕の場合は出席日数が足りなくて、毎日登校し掃除をしなければならなかった。おまけに掃除が終われば部活に参加して、帰宅すればファイナルファンタジーである。それが受験前日まで続き、望み通り「考古学を学べる大学」に入ったが、「自分が望む考古学を学べるベストの大学」だったかどうかは微妙である。
 基本的には英語を教え、それ以外に現代文、世界史、日本史など僕の得意な教科を見た。忙しい時には週に5人見たこともあった。自宅から近い生徒が多かったが、中には電車で1時間半という生徒も居た。時給は多分、家庭教師としては破格である。大学も半ばで家庭教師のトライが流行りだした時には「ヤバイんじゃないの?流石に?トライとかって1流大学ばっかりでしょ?俺が親だったら、間違いなくそういう人間に金出すけれどな。いい加減、詐欺辞めろって(笑)」とまたまた友人につっこまれたが、特に問題は無かった。逆に「うーん、今まで家庭教師のトライだったけれどね。これからお願い」と頼まれたり。「で、身を以て人生は学歴じゃないことを証明して、そっからちゃんと責任取るのか?」とも言われたが、「認知はしません(笑)」と言っておいた。
 中学から見続けた生徒が二人、今では既に大学生である。しかもその内の1人は僕と同じ大学に入学した。彼は中学受験で大学までは問題なかったはずだし、関東6大学を好きに選べる学力だった。「中国語を専門に学びたいんです。できれば直ぐに留学もしたいから」と、探した結果僕の通った大学が彼の意向に1番合った様だった。彼は高校の頃から中国語を学び始め、大学1年目にして短期留学を終えた。3年次には長期留学をする予定だとか。出会った頃は「まだ何をしたいのか、わからないから」と言っていた生徒が、いつの間にか成長している。間違いなく僕より先に社会に出るのだろう。次は僕が彼らに多くのことを学ぶ番なのかもしれない。
 そういえば1度も「先生」と呼ばれたことが無かったな…。