apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

「それじゃ後は、若い者に任せて」

 という台詞を本当に言うのかどうかは別としても、1度で良いからお見合いは経験してみたい。しかし結婚にはまるで興味がない。興味があるのはお見合いというイベントだけなので、本気で結婚を考えお見合いをしている人たちには甚だ迷惑な話しである。なのできっとお見合いを経験することもないのだろう。
 僕がしっかりと合コンに参加していたのは、中学後半から高校1年までで、大学では新歓コンパにさえ顔を出さなかった。「人が足りないから!お願い!」という話しもできる限り断った。何よりも僕は日本の飲み会というイベントが好きではないので、必然的にコンパにも興味が失せてくる。10代の頃ならまだしも、20歳に成る頃には「飲み会、コンパの誘いには絶対に乗らない男」だった。
 そんな僕でも何故か、お見合いには惹かれるものがある。10代の合コンの場合、雄と雌の凌ぎ合いがメインになる。20代ともなれば、雄、男、人間、雌、女、人間が入り交じる。しかしお見合いであれば、それぞれイメージする形は違っていても、目指すものは結婚である。中には「親に勧められて、嫌々」とか「結婚とかはあまり興味がないけれど」という人もいるだろうが、合コンのそれに比べれば、目指す先にあるものは明確である。
 それは多分に年齢も問題もあるのかもしれないが、僕の中でお見合いとは「自分が築いたコミュニティでは皆目見つかりそうにない相手に会える機会であり、お互いにコミュニティに違いを有しながらも、目指すものに大差が生じない異性に巡り合える場」と勝手にイメージしている。そしてその場が、結婚に特化されたものがお見合いだと思っている。だからこそ、結婚に興味がない僕は参加してみたいのだ。どんな思いで結婚に向かうのだろうと。
 そんな独りよがりの妄想が膨らむ程に、僕にとってはお見合いは神秘的である。やはりお見合いには添水の音と、「それじゃ後は、若い二人にお任せして」という言葉だろう、みたいな。ほとんど恋に恋する乙女状態である。実際はねるとん位で、お腹一杯に成るだろうけれど。