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最近は写真日記。

今週、浮気します

 id:tetsu23さんのところで紹介されていた、[本]「今週、妻が浮気しますid:tetsu23:20050204/bookを読んで見た。感想としてはまるで釈然としない。
 某大手質問掲示板に「妻が今週末、浮気相手に会いにいくようなんですが、どうするべきか」という質問が投稿された。それに対して様々な意見が出る中で、質問者の明確な答えが見えないまま問題の週末に突入。

OKWeb 今週妻が浮気します。
http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=763621&rev=1

今週、妻が浮気します
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 以下、ネタバレ。
 妻は以前にもその相手と浮気をしていたが、相手は離れた場所にいるので、普段はメールのやりとりくらいしかしていなかった。相手は同じ会社の上司で、妻子持ち。地方にいるその相手が、週末に仕事の関係で上京してくるのだという。質問者は妻の携帯メールを見てその事実を知る。
 質問者の本音としたらその相手を殴って、妻に離婚届を渡したいという気持ちが最初にあったのだろうが、回答者の「暴力は絶対にいけません」という忠告に従い、取った行動は結局、浮気現場であるホテルに行き、妻に離婚届を渡す。浮気相手の奥さんに電話をかけさせ事実を伝えるということだった。
 質問者の描き出す妻は、「この馬鹿な旦那は、私が何をしているか何て知らない癖に」と、まるで質問者のことをあざ笑っている様にしか思えない。しかし実際は、質問者は全ての事実を知りながら、妻をある程度自由にさせている。そこには多分「いつか、この妻も自分の間違いに気づくだろう」という希望もあったのだろう。しかし、そうならずに結局妻は、浮気相手に会う方向に動く。
 そこまで来て、質問者は迷うのだ。「どうするべきか」と。証拠を押さえ、慰謝料を貰って離婚するというのが、簡単である。が、事あるごとに質問者は「子供を片親の子供にしたくないので」と言い、離婚を何度も躊躇する。離婚届を叩きつけた後も、妻は変わらずいつもの様に携帯電話を持ち歩き、子供たちと日常を送る。その姿に質問者はまた頭を悩ませる。
 「どうもすみません」「別れたくありません」という妻の姿はまるで反省していない。「どうして私が浮気をするか、あなたに分からないでしょう?」という感じで、逆ギレの雰囲気さえある。その姿を見た質問者は結局、別れを決意するのだが、別れを切り出した途端号泣してしまう。泣きやんだ結果、「全てを許すことにした」という結末で落ち着く。妻は妻で、「今あなたのことがすごく好き」と掌を返した様な態度になる。
 泣いてすっきりするのは、ただストレスが溜まっていたからだろう。泣いたからと言って、問題は何も解決しない。結局のところ、妻を自由にしていたのも期待ではなくて、傷つきたくない自分が居たからだ。本当のことを知って、痛い思いをする自分が嫌なだけだったのだろう。
 質問者は幾度となく過去の思い出や、つきあいの長さを書いているが、まるで過去とつき合っている様でもある。「今、戻れないと思った学生時代に戻っていました」というが、子供の問題など一切吹き飛んでいる。花王奥様劇場かと思ったが、夫婦になって家庭を持っても人間やることは同じ様だ。
 もし僕だったら。ただでさえ結婚に対して懐疑的なので、あまりイメージできないが、まず浮気しない相手を奥さんに選ぶだろう。この質問者の妻は結婚前の付き合いの最中にも1度浮気をしている。間違いなくそういう相手とは結婚しようとは思わない。しかし浮気をされたとしたら、別れることは確実である。結婚していれば法に訴えられるので、それを目一杯行使することになる。感情を除いて、事実だけを見れば簡単な話しである。もちろんそう簡単にいかないのが人間なのだが、今回の話しは随分とお粗末。人をずっと好きでいるのも良いが、本当に好きなのか、それともただの情なのかくらいははっきりさせておきたい。ましてや自分の安定を保つための関係くらいならば、いくらでも築けるだろう。あばたもえくぼならばまだ可愛いが、見えている問題に対して見て見ぬ振りをして、関係を続ける価値がそこにあるだろうか。