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最近は写真日記。

自宅でネット接続への道:テレコムイタリア、Aliceの場合

 Telecom Italiaに電話回線の開通のための書類をFaxしたのが10月5日。そして電話が開通したのが10月22日。実に2週間と3日。これを早かったと言うべきなのか。
 Faxで送付したのは、パスポートのコピー、滞在許可証のコピー、それと電話線開通をしたいという手書きの手紙だけである。規定の書類等は特にない。家の大家は「1週間以内に電話が無ければ、言ってね」ということだったが、週が明けてから何度か非通知の不在着信があった。僕は授業中だったため応答することができなかった。
 10月12日の午前10時前。僕が授業に向かおうとしたところ、また非通知のコールが。電話に出るとテレコムだと言う。やっと来たかと思っていると、「シニョール、うちの担当者には会いましたか?」等と言う。「え?担当者どころか、連絡もこれが始めてだけれど?」と答えると、「あら。そうですか。そうしたら、午後にでもかけさせます。それより、電話が開通した後はADLSを引くのですよね?それでしたら、今はサービス期間なのでほとんど無料でできますよ?」と話題をすり替えられた。
 授業の終わる14時頃には電話をもらう約束をして、電話を切った。しかしその日は電話がかかってくる気配がない。その内かかってくるだろう、と思っていたが週末になってもかかってこない。結局大家にメールを入れたが、「来週の頭まで待ってみたら?」とメールが返って来た。
 週が明けて10月18日の午後。やっと電話がかかってきた。「シニョール、何度も何度も電話をかけたのに、まるで繋がらないから、こちらも困っていたんですよ」という会話から始まり、22日の朝8時半に技術者が向かうからという約束をした。
 同日、ポストに小包みが届いたことを知らせるハガキが入っていた。これは次の日に郵便局に取りに行ったのだが、誰かが日本から荷物を送ったという連絡は無かったので、予想外でああった。「誰だろう?」と色々と考えてみたが、思い当たる節が無い。郵便局に行くと25センチ四方の小包みを抱えて局員が奥から出てきた。「何処から?」と聞くと「ローマから。Aliceだね」と答えた。Aliceというのはテレコムイタリアが提供しているADSLサービスの名称である。もしや?と思ったが、案の定開封してみるとADSLのモデムが。電話回線も開いてないのに、何故にモデムが?と思ったが、深く考えてもしょうがないので放って置いた。
 22日の朝は、一応起きて待っていたが案の定誰も来ない。電話も鳴らない。「まぁイタリアだし、9時過ぎくらいに電話でもあるだろう」等と考えていた僕が甘かった。その日は10時から授業があったのだが、こちらも意地である。10時過ぎても紅茶を飲みながら本を読み、テレコムからの使者を待った。11時になろうかという頃、非通知での着信が。「ええっと、テレコムの者ですがね?電話を開通させたいとかで?」「ええ、そうですね。約束は8時半のはずでしたよねぇ?」と返すと、「ああ、それは私の所為じゃないんですよ。私の所為じゃ。事務所の方がね、トンチンカンなことをやるもんでね。それで今はお宅にいらっしゃいます?シニョール」とイタリアでは日常的な言い訳が始まった。
 ここで逃がす訳にはいかないので、直ぐに来てもらうことに。自宅までは少し入り組んでいるので、途中まで向かえに行くこになったのだが、多分待たされるだろうことを考えてiPodを持って家を出た。が、それは予想外れで電話から10分もせずに1人の中年男性が到着。持ち物は革張りの鞄が一つ。
 一通りの挨拶を終わらせて、早速帰宅。電話線の在りかを教えると、彼は鞄の中からテスターを出して数字を手帳に書き始める。「それじゃ、もう少ししたら電話するから」と滞在時間正味10分もない。「え?これで終わり?」というと、「うん。これで終わり」などと足早に帰って行く。
 それから30分ほどして、その技術者から電話があり、完璧に開通したと言われた。が、僕は家電を購入していないので確かめる方法が無い。結局モデムを繋げて回線ランプで確かめた。そのままiBookに繋ぐもDHCPサーバー参照ではネットには繋がらない。「電話線が繋がって直ぐに、ADSLが繋がれるってことはないだろう」と勝手に納得して、全てをそのままに午後の授業に向かった。
 その日の夕方、帰宅して色々と試しているとIEで突然登録画面へと繋がった。どうやらSafariでは読み込みが上手くいかなかったようだ。そこでユーザー登録を済まし、設定するとDHCP自動では上手くいかなった接続がPPPoEで繋がった。日本ではフレッツには加入していなかったので、PPPoEでの接続には手間取った。というのも、友人宅でもAliceに加入しているがそこではDHCP参照で自動的にネットに入れたのだ。これは友人宅ではルーターハブモデムを自分で購入したから、そういう設定になったということだった。
 結局の所、電話線の開通とADSLの開通が同時に行われたようだ。しかし、疑問は次から次へと湧いてくる。ADSLに加入するとは電話で言ったが、「どのコースに登録するか」ということは言っていない。確かに電話では「サービス期間」だと言っていたが、「時間制限」や「パケット制限」などがあるのでは?と疑い、長時間の使用は避けた。これは今日テレコムに電話して確認したところ、「12月31日までは使い放題」とうい返答だった。しかしここはイタリアである。何が起こるかわからない国だ。せめて初回請求が来るまでは疑ってかからなければならない。というわけで、今も恐る恐るのインターネットであるが、今ではモデムをAirMac Expressに繋ぎ、iBookは無線ネットである。
 この間、僕は色々な人に質問をしまくり、様々な情報を得た。
「僕は6月にADSLを申し込んだけれど、来たのは先週だよ。覚悟しておいたほうが良いね」
「いやぁ、それがですねぇ、AliceのモデムがEthernetじゃなくて、USBだったんですよ。こんなの見たことありますか?しかもMac用のドライバなんてないし。最近のモデムはしっかりEthernetが付いてるってことだから、まぁ平気じゃないっすかね」
「僕も繋いだ時はまるで繋がらなかったんだよ。テレコムに電話しても、その設定であってるからって言うしね。で、彼らが言うにはADSLにするには慣らし運転みたいなのが必要だって。そしたらいつの間にか繋がってたっけ」
 等々。流石にイタリアである。幸運にも僕の部屋には、既に電話回線は引かれていたので、事務手続きだけで良かった。Aliceの対応も早かったし、開通と同日にネットには繋がった。2週間と3日。やはり早いということにしておこう。それにしても「ADSLに慣らし運転」って必要なのか?