apoPTOSIS:mod.HB

最近は写真日記。

何をそんなに急いでいるんですか?

 「いやー、この国はもう戦時中並にカッツカッツですから、仕事をしていない人間は非国民同様なんですよ」と言ったのは僕の友人だ。確かにあれだけ騒いでいたスローライフも何処へやら。景気も上向きで、ここぞとばかりに仕事の量が増えているようだ。仕事にしても雇用形態にこだわらなければいくらでも見つかる。イタリアだったら、きっと誰もが飛びつくような仕事ばかりだが、就職という枠にこだわって仕事を選び、就職難だと言う。
 森博嗣は「貴方が急いでも、貴方の人生は短くならない」みたいな事を言っていた。日本人には相変わらず、働ける間に稼いで、余生でのんびりとという考えが根付いているらしい。それが民族性ならばスローライフなんて無理に言わなくても良いだろうに。死ぬほど働いて、過労死までして、死の間際でやっと自分の時間を持てる、それを幸福と感じるのならば仕方ない。それが人生だと教育されているのならば仕方ない。
 僕の実家は自営業だ。僕が継げば4代目らしいが、僕は継がない。血筋からして他人に仕えることを知らない。人生は自分のために。自分の時間は自分のために。遊べる間に、遊べる時に遊びましょう。その代わり、生まれた時から自己責任*1。忙しくても、暇でも、誰の所為でもない。それは自分の人生であって、自分の時間だ。他人の時間を疎んでる暇があったら、自分のために使えば良いのに、日本というのはワイドショー好きだからそうはいかない。休暇のためにお金を出しても良いなんてことになる。時間さえもお金で買うのだ。時は金なりは、時は高い出費であるという由来だ。暇な時間があれば、仕事をしろというわけではない。
 生きるためにはお金は必要だ。かといって、約束された未来も、出世も給料もないのが今の世の中。どんな大企業でさえカッツカッツだから、依存するのはもう諦めて、自分の人生は自分のために使うのが得策だ。それからスローライフを叫んだら、少しは真実味がある。日本に帰ってきて、どんどんズレが生じているなと感じる今日この頃。

*1:こんな自明のことをわざわざ問う社会がわからないが、日本社会の問う自己責任は政府の言い逃れだ