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最近は写真日記。

イタリア人の性意識

 イタリアのテレビ番組を見ていると露出度の高い女性ダンサーや、女性司会者が必ず出演している。そのほとんどが番組の進行と関係のないところで、踊り出したり、衣装替えをしてもっと露出度を高めたりで、番組の3分の1は女性の身体を見ていることになる。逆に男性の場合、司会者は中年で女性よりも背が低く、頭は禿げでお腹が出ている場合が多い。男性ダンサーは筋骨隆々で、上半身は裸だったり、タンクトップだったり。演出上、女性司会者、女性ダンサーのバックダンサーとして出てくる。
 CMにしても、コンドームのCM、女性の裸体など日本では考えられないものばかり。コンドームのCMは日本でも見られるが時間帯が決まっているだろうし、女性の裸体がCMで流れれば国会で答弁されるに違いない。映画にしても裸体が当然の様に映し出されるし、日本の隠し、恥ずかしむ文化とはまるで違う。谷崎潤一郎は日本文化を陰影礼賛の中で上手く表現していたけれど、イタリアはその対極にあると考えても良いだろう。
 ある米国のジャーナリストがイタリアのメディアを「女性を飾りにして、3流のお笑い番組で、イタリア国民は笑っている」なんて批判していたけれどまさにその通りだとも感じる。イタリアはマザコンの国として有名だけれど、イタリア人男性は特に背の高い女性を美しいと感じている様だ。メディアに登場する女性は本当に背が高く、男性はそれよりも背が低い。また女性の特徴として口が大きく、金髪が多い。
 ギリシア・ローマ美術では等身以上の女神象が出てくるが、そういうものばかりを観て育ったり、母親に甘やかされて育ったり、またメディアでは男性よりも背の高い女性ばかりを目にして育つ。マザコンと言われてしまうイタリア人男性だが、社会的にそういう風に育つシステムができ上がっている。イタリア人女性の好みは、まさにローマ彫刻もしくはテレビの男性ダンサーの様な、たくましい身体を持った男性に惹かれるらしい。
 日本の性教育は遅れていると言える。遅れているどころか既に収拾のつかないまでに歪な性意識が根づいて、そこからまた新しい文化が産まれている。萌えやロリ、ショタコンやおい。萌えとフェチの違いについては東浩紀が上手く説明していたけれど、日本人の性意識は低年齢化しているのに対して、イタリア人の性意識はマザコンやたくましい男性象など、自分を保護してくれる、甘えられる対象を求める方向にあると思われる。