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最近は写真日記。

紅茶とコーヒー

 僕は紅茶が好きである。紅茶で育ってきたと言っても過言では無い。僕の家では朝食を食べる習慣が無かったが、稀に出る朝食では、トーストと紅茶が基本だった。両親はコーヒーが好きなのだが、僕はコーヒーを飲むと、子供の頃からお腹を壊していたので、いつの間にか僕だけ紅茶が出る様になったのだ。幼稚園児の頃は、紅茶にトーストを少し浸しては、トーストをふやけさせて食べていたのを憶えている。後々母親にその話しをすると、「あれは離乳食として憶えさせたのよ」と言われた。
 小学校の遠足や、サッカークラブの遠征などでは、水筒には必ず熱い紅茶が入っていて、ポカリスウェットを美味しそうに飲む友人達を恨めしそうに見ていた。家族旅行に行くと、コーヒーの水筒と紅茶の水筒に分けられ、紅茶を飲むのは僕と妹だけだった。
 いつも自動販売機で買う飲み物は、午後の紅茶のミルクティー。コンビニでは、パックのリプトンミルクティーか、ペットボトルの紅茶花伝ミルクティーと決まっている。日本にいる時はティーポッドと紅茶葉で紅茶を入れていた。時にはチャイを作ったりし、インドに行った時には、紅茶葉ばかりを買い込んで帰ってきた。ここイタリアでは安いティーバッグで我慢しているが、時には美味しい紅茶が飲みたいと思う。
 ただイタリアと言えばエスプレッソコーヒーが有名である。更に言えばイタリア国内でコーヒーと言えばエスプレッソコーヒーのことを指し、日本で言うコーヒーはあくまでもアメリカンなのである。なのでBarで「コーヒー」と注文すると嫌が応でも、エスプレッソコーヒーが出てくるのだ。かと言って、紅茶を頼むと小さなティーポッドを用意されるので、時間がある時にしか飲めない*1
 クロワッサンやパニーノを食べながらでは、どうしても咽が渇くので、嫌々ながらもカプチーノを頼んだ。砂糖を多めに入れ、甘くして飲む分には良いがやはり好きには慣れないし、泡の意味がわからなかった。ある日僕の前に注文した女子が「カフェラテ」と言った。日本でカフェラテと言えば、甘くコーヒー牛乳のイメージが、僕の中にはあった。しかも出てきたものは、そのイメージ通りのものである。「これだ」と思い、その日からBarで注文するのはいつもカフェラテになったのである。
 それ以来、ペルージャ外国人大学のBarに行くと、「おう、カフェラテ」とあだ名をつけられ、注文する必要も無くカフェラテが出てくる様になった。毎日カフェラテを飲んでいると、カプチーノにも挑戦できる様になり、今ではエスプレッソも問題なく飲める様になった。時には美味しいな、と感じることもあり、日本に帰国している間は自分でエスプレッソを入れることもある。ただ、調子に乗って日本のコーヒーを飲んだ時には、やはり不味く、お腹を壊してトイレに駆け込んだ。
 ちなみに僕の家に遊びに来る友人は、皆揃って紅茶を飲まされることになる。コーヒーばかり飲み、紅茶なんて飲まないと言っていた友人まで、紅茶漬けにするほど、僕の家=紅茶なのである。カップの中から紅茶が尽きる事は無く、次から次へと注ぎ足されるのだ。僕は紅茶にミルクは入れるが、砂糖は入れることが無い。その代わりにチョコレートやロールケーキ、クッキーが出てくるのである。

*1:僕はしっかりと蒸らします